技術開発
限りある資源を有効的に、そしてクリーンな環境を心がけ、低価格で環境にやさしいリサイクル樹脂で作った軽量製品を紹介します。
リサイクル樹脂とは、撤去ケーブル(建設副産物)のポリエチレン被覆や金属外装を処理したものであり、リサイクル樹脂によって成形された軽量製品は、廃棄物処理費用の削減と再資源化を目的に作られた、環境負荷(CO2)を低減する環境にやさしい製品です。
軽量製品(リサイクル樹脂)の特長
- グリーン調達の対象
- 従来のハンドホールに比べて安価で軽量、人力で手軽に持ち運べます。
- 防錆・防食の用途に優れています。
- 強度、耐久性、難燃性にも優れています。
- ダクト穴あけ加工が現場でも容易に施工可能です。
上記の長所を生かし、道路のニーズに合わせて製品化しました。
軽量製品の優れた性能
- 軽量で施工が容易
- 【コンクリートトラフの約1/4の重さ】
- 塩害・腐食に強い
- 【JIS耐薬品性試験:塩化カリウム溶液の浸漬後の質量変化無し】
- 紫外線に強い
- 【JIS促進耐光性試験:5000時間強度変化無し】
- 難燃性
- 【JIS難燃性試験:火が沈静化し、1分以内に自消】
- 強度
- 【JIS曲げ試験:500kgf(0.5m当たり)で破損無し】
写-1 軽量ハンドホール
写-2 トンネル用軽量蓋
写-3 軽量ダクト
性能検証
1)難燃性検証
JIS C3521「通信ケーブル用難燃シース燃焼性試験方法」で使用する試験設備を用い、写-4のように設置した試験体に20分間接炎し、バーナーの炎を取り除いた後、消火する様子を観察し、図-1の①~④の温度測定を実施しました。
写-4 20分接炎試験状況
写-5 60分接炎後表面
写-6 60分接炎後裏面
以上の20分接炎試験結果では、およそ900℃の加熱側温度に対し、ケーブル表面では45℃以下となり、断熱効果が実証され、外部の炎が軽量製品に接炎しても延焼及び熔解せず、容易には軽量製品に穴が開かないと考えられます。また、写-5、写-6のように、接炎時間を60分間に延長して観察した結果、バーナーの接炎箇所(表面)は炭化するのみで内部(裏面)には影響が無く、炎を取り去った後、自己消火しました。
【参考:絶縁ポリエチレンシースケーブルCCPの使用温度 範囲は、-30℃~+60℃】
2)耐荷重検証
軽量ダクトRD-200直管を土中に敷設し、蓋の上を25tonトラックに通過させ、通過中と通過後のダクトの状態を評価しました。(写-7、写-8)
試験は2パターン行い、①ダクト長手に対し垂直にタイヤを積載する試験 ②ダクト長手に対し平行にタイヤを積載する試験 をそれぞれ実施しました。
結果、トラックが蓋に乗り、3分間経過しましたが変形はせず、蓋に数箇所ヒビが入ったものの割れには至らず、ダクト本体側に変化は見られませんでした。今回は最大積載荷重の車両を想定しましたが、一般土工部の埋設であれば、蓋の陥没や内部ケーブルへの破損には至らないため、安全性が高いと評価できました。
写-7 25tonトラック通過
写-8 通過後の状態
3)通線検証
軽量ダクトRD-70の直管と曲管を合わせて約65m敷設したフィールドを用意し、光ケーブル200心(外径15.5φ)を呼線にて人力引通しが可能か検証しました。
結果、軽量ダクト内は平滑で、VE管同等の摩擦係数のため、軽量ダクトの蓋を閉めたまま容易に通線ができ、およそ500m以上の敷設が可能と判断できました。
写-9 ダクト通線試験
製品材料比較
製品材料比較として、リサイクル樹脂とFRP及び鋼製の材料についてまとめました。
| 項目 | リサイクル樹脂 | FRP | 鋼製 | |
| 特性 | 強度 | 群集荷重レベル ◯ | 群集荷重レベル ◯ | 車道も可 ◎ |
| 耐衝撃性 | 弾性力があり衝撃に強い ◎ | 弾性力があり衝撃に強い ◎ | 永久変形し易い | |
| 耐燃性 | 自消性のある難燃性◯ | 自消性のある難燃性◯ | 不燃性 ◎ | |
| 耐環境性 | 塩害、融雪剤、酸性雨などの影響無し ◎ | 腐食に強い ◎ | 塩害に弱い | |
| 比重 | 1.4 | 1.8 | 7.8 | |
| 加工性 | 切断 | 手のこ、電動のこで容易に切断可能 ◎ | ダイヤモンドカッターなど特殊機器が必要 | 金属用の刃、現場切断が難しい |
| 作業者への負担 | 容易 ◎ | グラスファイバーが人体に影響あり | 難解 | |
| リサイクル性 | リサイクル可能 ◎ | 大半が産業廃棄物、再利用不可 | リサイクル可能 | |
| 価格 | 安価 ◎ | 高価 | やや安価 ◯ | |
施工実例
軽量製品の施工例を以下に掲載します。
写-10 トンネル監査路
<軽量蓋>
写-11 インターチェンジ
<軽量ダクト>
写-12 スマートIC
<軽量ダクト>
写-13 一般土工部
<軽量ダクト>
写-14 遮音壁
<軽量ダクト>
写-15 トンネル監査路
<軽量ダクト>
今後の開発
1)軽量製品は、非金属(リサイクル樹脂)であり、防錆・防食・難燃性に優れているため、今後普及するICタグを用いた埋設物情報に関連する付加価値を広げていきます。(写-15、写-16は、ICタグを軽量蓋の裏面に取り付け、表面からリーダーライターにより認識可能)
写-16 軽量蓋(裏面内部)
<ICタグ貼付>
写-17 軽量蓋(表面)
<リーダーライター読取可能>
2)現況の幹線管路においては、地震や液状化により路盤沈下が起こり、管路、伸縮継手等の損傷発生や、鋼製管路の錆や管路内凍結からのケーブル損傷の発生率が多くなる一方、光ケーブルに隣接する改良工事の試掘費用も増大している中、保護路肩部に軽量ダクトを幹線用に本設利用することにより、試掘費用の軽減、凍結防止、沈下対策、防錆対策、コスト削減などメリットが見込まれるため、ニーズに対する改良、及び開発を今後さらに進めていきます。
あとがき
今回紹介した「軽量ハンドホール製品」については、当社と古河電気工業との技術提携により開発されています。
なお、より詳細な技術資料を作成していますので、ぜひこちらもご覧ください。
